ドラえもん3 のび太と時の宝玉

スーパーファミコン版『ドラえもん3 のび太と時の宝玉』：魅力あふれるSF冒険譚

1994年12月16日、エポック社よりスーパーファミコン向けに発売された『ドラえもん3 のび太と時の宝玉』。ドラえもんシリーズのスーパーファミコン作品としては3作目にあたる本作は、前2作とは大きく異なるゲームシステムとグラフィック、そしてSF的な世界観と勧善懲悪のストーリー展開が特徴的なタイトルです。

未来人との出会い、そして歴史改変の陰謀

物語は、のび太がスネ夫の恐竜の化石を壊してしまったことから始まります。責任を感じたのび太は、ドラえもんと共にタイムマシンで過去へと旅立ちます。そこで出会ったのは、未来人ジェロ。彼は、未来の犯罪組織「ジョーカー団」が歴史を支配しようとしていることをドラえもん達に告げ、協力を求めます。

原始時代、西部開拓時代、未来へと時代を超えた冒険は、ハラハラドキドキの展開が続きます。ジェロの正体、ジョーカー団の目的、そして「時の宝玉」の謎。様々な謎が明らかになるにつれて、物語はますますスリリングに進んでいきます。

個性豊かなキャラクターと時代を超えた舞台

本作には、ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫といったお馴染みのキャラクターに加え、原作漫画では脇役として登場するキャラクターたちも多数登場します。先生、出木杉、ジャイアンのママ、さらにはムス子さんやあばらや君といったマニアックなキャラクターまで登場するなど、原作ファンも楽しめる要素が満載です。

舞台となるのは、現代、原始時代、西部開拓時代、未来、そしてアトランティスと、時代を超えた様々な場所。それぞれの時代で異なる敵や仕掛けが登場し、飽きさせないゲームプレイが楽しめます。

洗練されたゲームシステムと多様なアイテム

前2作とは異なり、本作では大幅にゲームシステムが変更されています。横スクロールアクションとして、各キャラクターが固有の武器や特殊能力を持っており、それぞれの特性を活かした戦略が求められます。

登場するひみつ道具も多岐に渡り、武器、防具、お助けアイテムと、様々な場面で活躍します。空気砲、ブーメラン、スモールライトといったお馴染みの道具に加え、もぐら手袋、タケコプター、らくらくシャベルといったキャラクター専用のアイテムも存在し、これらを駆使してステージ攻略を進めていきます。また、ジュエルを集めて武器やアイテムを購入することも可能です。

記憶に残る感動のラスト

最終ステージとなる荒廃した未来では、ジョーカー団のボスであるダウトとの最終決戦が待ち受けています。ダウトを倒し、時の宝玉の力を使い歴史を元に戻すことに成功した一行。しかし、その代償としてジェロの記憶は消え去ってしまいます。

ジェロとの別れ、そして現代に戻ったドラえもんたち。再び恐竜の化石が危機に瀕しますが、そこにはジェロによく似た青年が現れ、化石をスネ夫に返します。青年との出会いを思い出せないのび太ですが、「どこかで会ったような…」と呟くラストシーンは、プレイヤーの心に深い余韻を残します。

スタッフと評価

開発はエイム（フォーティーファイブ）が担当。プロデューサーは沓掛隆志氏、ディレクターは葭原智氏と桑原悟氏、企画は安部淳也氏と宍倉典幸氏、音楽は濱田智之氏と、豪華なスタッフ陣によって制作されました。

ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは23点、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票によるゲーム通信簿では18.8点と、高い評価を得ています。

まとめ

『ドラえもん3 のび太と時の宝玉』は、魅力的なストーリー、個性豊かなキャラクター、そして洗練されたゲームシステムが融合した、スーパーファミコンを代表する名作の一つと言えるでしょう。ドラえもんファンはもちろん、アクションゲーム好きにも強くおすすめできる作品です。

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